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|1999年||71,946||[http://www.jreast.co.jp/passenger/1999.html]

2014年7月13日 (日) 00:03時点における最新版

原宿駅(はらじゅくえき)は、東京都渋谷区神宮前一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)山手線鉄道駅である。

概要[編集]

二代目となる現在の駅舎は1924年大正13年)に竣工した木造建築[1]、都内で現存する木造駅舎で最も古い。建物は二階建てで、尖塔付きの屋根に白い外壁という、イギリス調のデザインとなっている[2]。駅名は、開業当時近隣にあった地名、原宿豊多摩郡千駄ヶ谷村大字原宿)から。

特定都区市内制度における「東京都区内」および「東京山手線内」に属している。また、東京地下鉄(東京メトロ)千代田線明治神宮前〈原宿〉駅との連絡業務が実施されている。なお、副都心線の連絡業務は渋谷駅となるため、この駅での連絡業務はない。

通常使用されているプラットホームは、山手線電車乗降用の島式ホーム1面2線であるが、他に山手線外回り線(代々木駅方向)には隣接する明治神宮敷地内に設置された「臨時ホーム(3番線ホーム)」(1面1線)、内回り線(渋谷駅方向)の駅手前・代々木駅寄りにはお召し列車発着用の通称「宮廷ホーム」(1面1線)がある。

「臨時ホーム」は、明治神宮への初詣客のためのもので、正月にのみ使用され、1940年昭和15年)元日から供用が開始された[3]。明治神宮は毎年日本で最多の初詣客が訪れ、山手線は大晦日から元日にかけて終夜運転が行われるが、この際外回り線の列車は通常のホームではなく臨時ホーム(3番線ホーム)で客の乗降を行い、改札も神社へ通じる臨時の改札口で行われる。

発車メロディは、外回り・内回りともに当駅オリジナルのメロディが使われている。2011年平成23年)3月1日から3月20日までは期間限定で、miwaの楽曲「春になったら」が採用され、1番線ではサビ、2番線では冒頭部を使用していた。また、臨時ホームでは発車ベルが使われる。

表参道口改札内コンコースとホーム中央を連絡するエスカレーターエレベーターが設置されている。トイレは表参道口改札内にあるが、多機能トイレは設置されていない。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先
1 山手線 内回り 渋谷品川東京方面
2 山手線 外回り 新宿池袋上野方面
3 山手線 外回り (正月の明治神宮参拝の多客時の臨時ホーム)

3番線ホームを使用する際は2番線ホームが使用中止になり、3番線ホームに方面標が設置される。

歴史[編集]

戦前[編集]

開業時には乗降客が少なかった原宿駅であるが、1919年(大正8年)に明治神宮が造営された後には発展を続けた[2]。乗降客が増加した原宿駅では1929年昭和4年)には竹下口地下道、1939年(昭和14年)には明治神宮側臨時プラットホームが設置されている[2]

  • 1906年明治39年)
  • 1909年(明治42年)10月12日 - 山手線所属駅となる。
  • 1914年大正3年)
  • 1916年(大正5年)1月 - 明治神宮造営のために駅北部から分岐する引込み線を設置[1]
  • 1920年(大正9年)11月1日 - 明治神宮が完成、鎮座祭が行われる。
  • 1922年(大正11年)
  • 1924年(大正13年)6月 - 開業当初よりも南寄り(渋谷駅寄り)の現在地に移動[6]。現在に続くイギリス風木造駅舎が竣工、設計は鉄道省技師の長谷川 馨[1]
  • 1925年(大正14年)10月15日 - 原宿変電所跡地に「宮廷ホーム」が完成。病弱だった大正天皇が日光・沼津・葉山の御用邸に静養に出発する専用の目的で建設された。
  • 1941年昭和16年)2月1日 - 貨物取り扱いを廃止。
  • 1945年(昭和20年)4月14日 - 空襲により駅舎に直撃弾を受けるも、すべて不発により焼失を免れる。

戦後[編集]

戦災からの復興の過程、隣接する千駄ヶ谷地区には連れ込み宿が林立、原宿駅前にも同様の旅館が出現した[7]。しかしながらそれらを一掃しようという運動が近隣住民やPTAを中心に行われ、その結果原宿駅を含む原宿地区は1957年(昭和32年)、文教地区の指定を受け、その結果風俗営業は姿を消した[7]

皇室専用ホーム[編集]

皇室専用ホームの入口付近
2008年9月撮影

原宿駅の北側(代々木駅寄り)には、貨物線線路から分岐する形で、1926年(大正15年)に設置された皇室専用の駅がある[9]

この施設は、「原宿駅側部乗降場[10]」、「北部乗降場[11]」、「北乗降場[12]」、「帝室御乗降場」、などと呼称され、設置以来、お召し列車の発着に使われてきた。この施設は「宮廷ホーム」の通称で知られるが、地元ではもっぱら「皇族駅」と呼ばれていた。

このホームが使用される際のみ原宿駅は運転取扱駅へと一時的に昇格する。通常は当ホームの出発信号機場内信号機はレンズ部分に黒い蓋をして使用停止とし、山手貨物線本線(通過線)側の出発信号機・場内信号機は閉塞信号機として扱っている。2013年時点で敷地は財務省とJR東日本の共同所有である。

大正時代[編集]

病弱だった大正天皇が宮城(きゅうじょう=皇居の旧称)から沼津御用邸葉山御用邸等へ静養に出発するための専用駅として設置された。

工事は1925年(大正14年)夏、旧原宿駅跡地、および旧原宿変電所跡地とその側線を転用する形で着工され、同年10月15日に完成した。同年12月17日には試運転が行われ、大正天皇が初めて利用したのは、1926年(大正15年)8月10日、葉山御用邸に出発する際であった。

しかしながら大正天皇は同年12月25日崩御、同27日に霊柩列車によってこのホームに戻ることとなった。

昭和時代[編集]

昭和時代には昭和天皇香淳皇后那須や須崎(静岡県下田市)にある御用邸全国植樹祭などへ向かう(行幸啓)場合などに運行される専用のお召し列車が年に数回発着していた。また、香淳皇后が須崎・那須両御用邸へ静養のために向かう際には、このホーム発の専用列車に乗車していた。

昭和天皇がこのホームを利用する場合、三権の長内閣総理大臣衆議院議長参議院議長最高裁判所長官)、国務大臣日本国有鉄道(国鉄)総裁、東京鉄道管理局(1969年4月以降は東京西鉄道管理局)長が揃って「お見送り」をすることが、国鉄時代の慣わしであった。

皇族専用ホームは皇族による利用のほか、1979年(昭和54年)には201系電車の試作車展示や、1988年(昭和63年)にはパビリオン列車「アメリカントレイン」の出発式といった、各種イベントにも用いられた。

平成時代[編集]

今上天皇の時代になると東京駅を利用することがもっぱらとなり、それ以前に他交通機関の発達もあって鉄道利用が少なく、お召し列車の運行自体が稀になっている。

今上天皇が原宿駅の皇室専用ホームを最後に使用したのは2001年(平成13年)5月21日、第52回全国植樹祭から帰った際であり、以来皇室専用ホームを皇族が利用した実績はない。

原宿駅・皇室専用ホームが利用されなくなった背景には、山手貨物線が、埼京線の延伸や湘南新宿ラインの運行開始などに伴って過密ダイヤとなり、お召し列車の運行には不適切になっているという事情もあるという。乗降場の周囲では草刈りは定期的に実施されているものの、分岐器が使用停止のまま長らく列車の発着がないためにレールが錆び付くなど、即座には使用できない状態となっている。一方、皇室専用ホームは廃止されたわけではなく、宮内庁では今後、国賓の地方への案内といった場合に使用される可能性が示唆されている。

利用状況[編集]

2011年度の一日平均乗車人員は69,750人である(JR東日本全体で58位)。近年の推移は下記の通り。

年度 JR東日本 出典
1992年 68,156 [13]
1993年 67,208 [14]
1994年 66,301 [15]
1995年 67,265 [16]
1996年 70,586 [17]
1997年 71,058 [18]
1998年 71,819 [19]
1999年 71,946 [1]
2000年 71,364 [2]
2001年 72,392 [3]
2002年 72,463 [4]
2003年 72,400 [5]
2004年 71,685 [6]
2005年 73,446 [7]
2006年 75,149 [8]
2007年 76,788 [9]
2008年 74,524 [10]
2009年 75,581 [11]
2010年 71,456 [12]
2011年 69,750 [13]

駅周辺[編集]

その他の駅周辺施設は「明治神宮前駅#駅周辺」を参照。

バス路線[編集]

最寄り停留所は、原宿駅原宿駅入口明治神宮となる。

原宿駅

原宿駅入口

明治神宮

  • 渋谷区コミュニティバス「ハチ公バス」
    • 神宮の杜ルート:表参道駅・千駄ヶ谷駅方面

隣の駅[編集]

東日本旅客鉄道
山手線
渋谷駅 - 原宿駅 - 代々木駅

脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 「大正浪漫の駅 原宿駅(その1)」
  2. 2.0 2.1 2.2 アイランズ 『東京の戦前 昔恋しい散歩地図』 草思社 平成16年1月30日発行第1刷
  3. 「昭和15年10月頃の山手線線路図」 『鉄道ピクトリアル』(電気車研究会発行) 1985年10月号 p.50-51
  4. 現在駅と「宮廷ホーム」の間付近に本屋(駅舎)とホームが位置した。
  5. 5.0 5.1 5.2 「大正浪漫の駅 原宿駅(その2)」
  6. 東京ふる里文庫11 東京にふる里をつくる会編 『渋谷区の歴史』 名著出版 昭和53年9月30日発行 p206
  7. 7.0 7.1 神宮前五丁目 『原宿 1995』 コム・プロジェクト 穏田表参道商店会1994年12月25日発行 p42
  8. 朝日新聞 1994年8月4日夕刊。
  9. 表参道・原宿・青山 日本観光史、平成23年12月27日閲覧
  10. 『お召列車百年』 p 5、p 61
  11. 小野田滋 『大正浪漫の駅 原宿駅』
  12. 鉄道省編 『大正天皇大喪記録』
  13. 東京都統計年鑑(平成4年)
  14. 東京都統計年鑑(平成5年)
  15. 東京都統計年鑑(平成6年)
  16. 東京都統計年鑑(平成7年)
  17. 東京都統計年鑑(平成8年)
  18. 東京都統計年鑑(平成9年)
  19. 東京都統計年鑑(平成10年)


関連項目[編集]

外部リンク[編集]