倍数

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数学において、数 a倍数(ばいすう、:multiple)とは、a整数倍した数、つまり … −3a, −2a , −a, 0, a, 2a, 3a, … のことを指す。a ≠ 0 ならば、a の倍数は無数に存在する。b ÷ a が整数ならば、ba の倍数である。またこのとき a, b を整数とすると、ab約数(やくすう)である。

  • 3 の倍数は … −6, −3, 0, 3, 6, 9, 12, … である。
  • 12 は 1 の倍数であり、2 の倍数であり、3 の倍数であり、4 の倍数であり、6 の倍数であり、12 の倍数である(1, 2, 3, 4, 6, 12 は12の約数であり、したがって 12 ÷ 1, 12 ÷ 2, 12 ÷ 3, 12 ÷ 4, 12 ÷ 6, 12 ÷ 12 はいずれも整数であるから)。しかし、5 の倍数ではない(12 ÷ 5 は整数でないから)。

数学的性質

  • 0 の倍数は 0 のみである。0 でない整数(または実数)の倍数は無数に存在する。
  • 全ての整数は 1-1 の倍数である。また、どんな整数 nn 自身の倍数である。
  • 2 の倍数を偶数という。偶数は「2つの等しい整数ので表せる数」と定義できるが、この定義は 2 の倍数であることと同値である。
  • 素数 p の倍数のうち、p を除く正の数は合成数である。
  • 整数 m, n に対して、m の倍数かつ n の倍数であるものを mn公倍数という。mnmn の公倍数である。公倍数のうち最小の正の数を最小公倍数という。mn の公倍数は、mn の最小公倍数の倍数である。
  • a の倍数の倍数は、a の倍数である。
  • xy が 共に a の倍数ならば、x + y , xy は共に a の倍数である。
  • 十進法表記された整数の倍数判定法がいくつか存在する。
    • 一の位が偶数(つまり 0, 2, 4, 6, 8)ならば、その数は 2 の倍数である。
    • 各桁の数の和(数字和)が 3 の倍数ならば、その数は 3 の倍数である。
    • 下(しも)二桁が 4 の倍数(つまり 00, 04, 08, 12, … , 96)ならば、その数は 4 の倍数である。
    • 一の位が 5 の倍数(つまり 0 , 5 )ならば、その数は 5 の倍数である。
    • 各桁の数の和が3の倍数であって、一の位が偶数であれば6の倍数である。
    • 下三桁が 8 の倍数ならば、その数は 8 の倍数である。
    • 数字和が 9 の倍数ならば、その数は 9 の倍数である。また、一の位が偶数であれば18の倍数である。
    • 下(しも)の桁から数えて奇数番目の位の総和と偶数番目の位の総和の差が 11 の倍数ならば、その数は 11 の倍数である。また、一の位が偶数であれば22の倍数である。
    • 下四桁が 16 の倍数ならば、その数は16の倍数である。
    • 下二桁が 25 の倍数(すなわち00, 25, 50, 75)ならば、その数は 25 の倍数である。
    • 下二桁が 50 の倍数(すなわち00, 50)ならば、その数は 50 の倍数である。

関連項目