脱衣麻雀

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脱衣麻雀(だついまーじゃん)とは、負けたものが衣服を脱ぐような取り決めをして行われる麻雀のこと。

一般にはコンピュータゲームの一種であり、コンピュータと麻雀で対戦した結果に応じて、主に女性ヌード画像が表示されるように設定されたものを指す。また、その多くはイカサマ技が使用できるなど、実際の麻雀よりゲーム的な誇張をされているものが多い。。「脱がせ麻雀(ぬがせまーじゃん)」と呼ばれることもあるが、ゲーメストなどによって一般には「脱衣麻雀」の呼称が定着している。本項目では、主にコンピュータゲームの脱衣麻雀について解説する。

現実の麻雀では、賭けに負けたものが身包みをはがれることがあり、また宴会余興として行われることもある。1950年代には女性イカサマ師が対戦相手の気を逸らすために、衣服を脱ぐなどの戦術を使っていた記録が存在する。ただし、これらを当時から「脱衣麻雀」と呼称していたかは定かでない。

また麻雀だけでなく、花札トランプゲームをモチーフにした脱衣ゲームも存在する。

解説[編集]

初期のコンピュータ麻雀ゲームは、単純にコンピュータと対戦するだけのものであり、特に業務用では勝てばゲームが延長され、負ければそこでゲームが終わるという、至極簡単なものであった。 また、思考アルゴリズムもお粗末なものであったため、コンピュータ側はほぼ例外なくイカサマをしていた。 このような麻雀ゲームは主にサラリーマンの暇つぶしに使われ、登場直後は大きな人気を得たものの、その人気が長く持続することはなかった。 プレイヤーに継続して硬貨を投入させるためには、麻雀以外にもプレイヤーを惹きつける魅力が必要であったことから、脱衣麻雀というシステムが誕生した。 おそらくその着想の原点は、初期のパソコンアダルトゲームとして存在した、野球拳であろうと思われる。

脱衣麻雀はその多くが二人打ち形式であり、対戦相手が女性であることが多い。 脱衣の形式は大別すると、プレイヤーが和了するごとに相手が少しずつ衣服を脱ぎ捨てるものと、相手の持ち点がなくなると脱衣シーンとなるものの二種類がある。 一枚ずつ脱いでいく形式では、コンピュータ側が和了すると相手が1枚服を着るものや、全ての衣服を着た状態に戻ってしまうものもある。 いずれの形式でも、プレイヤーの持ち点がマイナスになると、ゲーム終了となる。

表示される女性の画像は、CGによるものと実写画像を使用するものがある。 CGを使用したものには、アニメ調のものと写実的なものがあり、写実的なものについては実在のアイドル女優などに似せたものも存在する。 アニメ調のものについては、キャラクターデザイン原画を著名な漫画家アニメーターが担当しているものも多い。 実写画像を使用しているものでは、取り込み画像を使用しているものと、ビデオDVDなどの映像を流すようにしたものが存在する。 ビデオ映像を利用したものについては、既存のアダルトビデオの類を流用したものと、ゲーム用に撮り下ろしたものを使用したものがある。

脱衣麻雀の歴史[編集]

黎明期[編集]

最初の脱衣麻雀ゲームは、1983年日本物産が発売した業務用の『ジャンゴウナイト』である。 これは三人打ち麻雀ゲームで、プレイヤーが和了すると画面中央に小さく表示されたバニーガールが1枚ずつ衣装を脱いでいき、5連荘で全裸となるものであった。

1986年にはアナログRGBで画像を表示可能な基板が使用されるようになり、『セカンドラブ』(日本物産)では、初めて実写取り込み画像が使用された。 しかし、まだ同時発色数が16色であったため、同ゲームには実写取り込み2名の他に、アニメ調のキャラクターも2名採用されていた。

同年12月にはテクノポリスソフトから、元は同人ゲームであった『まじゃべんちゃー/ねぎ麻雀』(PC-8801用、後にPC-9801X1およびFC移植)が発売された。 これはパソコン用として初の市販脱衣麻雀ソフトであると同時に、積み込み技を採用した初の麻雀ソフトでもあった。

発展期[編集]

1987年に、セタから業務用の『スーパーリアル麻雀PII』が発売された。 アニメーターの手による本格的なアニメーションが初めて採用され、プロの声優による音声も付加された。 本作は大ヒットとなり、以後シリーズ化されて長きに渡り人気を博する。

1988年には、ユウガより業務用『麻雀学園・卒業編』が発売される。 このゲームには、脱衣シーンで「Hボタン」を連打すると、画面に表示された女性に悪戯をすることができた。 これが大好評となったため、以後他社製品にも同様のシステムを採用したものが多数見られるようになった。

1989年には、家庭用ゲーム機向けとしては最初の脱衣麻雀となる、移植版の『麻雀学園・東間宗四郎登場』が特典ビデオ付でフェイスより発売された。 しかし家庭用としては表現が過激すぎるとして問題となり、修正を受けた『麻雀学園MILD』が半年後に再発売された。

1991年、『麻雀学園』の流れを汲む業務用『麻雀スーパー○禁版(まあじゃんすーぱーまるきんばん)』がユウガより発売された。 しかし、脱衣シーンの表現があまりに過激であったため大きな問題となった。 これを契機に業界団体(JAMMA)によって、アーケードゲームにおける表現の自主規制が行われるようになった。

転換期[編集]

1993年スーパーファミコンで発売された『美少女雀士スーチーパイ』が業務用に逆移植され、同年12月アイドル雀士スーチーパイSpecial』としてジャレコから発売された。 原画に漫画家を起用し、著名声優の起用を前面に押し出した初のタイトルとなった同作品は、CD-ROMを媒体とする「次世代ゲーム機」への移植で更に人気を博し、以後シリーズ化してメディアミックス展開する。

同年、セタ・サミーVISCOの3社共同で、NECV60を採用したアーケードシステム基板「SSVシステム」が開発され、これを利用して『スーパーリアル麻雀PIV/同P7』(セタ)、『麻雀ハイパーリアクション/同2』(サミー)、『ラブリーポップ麻雀・雀々しましょ/同2』『ラブリーポップ花札・恋こいしましょ2』(VISCO)などが発売された。

1994年、脱衣麻雀のトップメーカーであった日本物産は完全にLD/CD麻雀へ移行し、以後CGを使用した脱衣麻雀の新規開発は行わなくなった。

1995年ビデオシステムより業務用『対戦アイドル麻雀ファイナルロマンス2』が発売された。 これは専用筐体を使用せずに対戦格闘ゲームと同様の通信対戦が可能となった、最初の脱衣麻雀である。 これ以後、業務用では対戦型の麻雀ゲームが次第に増加していく。

1997年の業務用『対戦ホットギミック』(彩京)では、対戦プレイに力点がおかれ、また久々に脱衣シーンのボタン連打が復活した。

衰退期[編集]

ゲームセンターにおいてはJAMMAの規制が強化されたことによって、JAMMA加盟のメーカーから脱衣麻雀が発売されることはなくなった。 1999年には『スーパーリアル麻雀VS』『アイドル雀士スーチーパイIII』『E雀さくら荘』が発売されるが、これらがそれぞれ各シリーズ最後の作品となってしまう。 2000年の『対戦ホットギミックフォーエバー』以降、JAMMA非加盟のメーカーによるDVDの実写映像を使用したもの以外は、業務用で目立った新作は発売されていない。 DVD麻雀は見かけ上多数のタイトルが発売されているように見えるが、ゲーム本体はもう何年も変わっておらず、DVDソフトのみが入れ替えられている状況である。

家庭用ゲーム機では、比較的表現の規制が緩やかであったPC-FX3DOが短期間で衰退し、セガサターンで18歳未満禁止のソフトを認可しなくなって以降、業務用同様の表現はほぼ不可能となった。 2004年PS2用『ちゅ~かな雀士てんほー牌娘』(ジェネックス)が発売されたが、CERO15歳以上対象ということもあって、女性の脱衣シーンは肌の露出面積がかなり少ない。

かつてのような脱衣麻雀が楽しめるプラットフォームは、パソコンゲームがほとんどと言ってよい状況となっている。

その他[編集]

記事中に記載された、JAMMAの表現規制の主な点としては、

  • 露出度については、基本的に全裸は禁止で、特に下半身の性器の露出は不可である。また、画像はデータの段階で修正済みでなければならず、無修正の原画の上にスプライト機能などでモザイクやぼかしを入れる様な処理は不可である。このため、規制以降の商品に登場する脱衣シーンでは、ショーツを取らなかったりショーツを脱ぐ途中で演出が終了する、あるいはカット割りを工夫してモザイクやぼかしを入れる必要性そのものを回避した演出が多い。なお、全体的な露出度そのものは特に規制しておらず、ショーツ以外の着衣も脱がずに残すので露出度が低い、などというのは単に制作側の演出センスの問題であり、規制とは関係が無い。
  • 直接的な性行為の描写は、基本的に自主規制されていたが、規制により明白に禁止された。
  • それ自体が犯罪行為である描写、たとえば、強制猥褻や強姦のように受け取られかねない演出は不可。したがって規制後の作品では、プレイヤーに対して何らかの好意や恋愛感情を持った上で脱衣する、という風に受け取れる歪曲的な演出になっている。

などである。

「規制が厳しくなったので麻雀ゲームが廃れた」と言われることがあるが、もともとゲームセンターは、法律や条例に基づく夜間の入場規制を除けば、基本的には年齢制限が掛っていない業態だという点に留意すれば、特段に厳しいものではない。 また、規制前から麻雀ゲームメーカーも自主規制はしており、そもそもJAMMAの規制は、全てのゲームやマシーンの内容や構造から、店舗の運営まで広範な領域を対象としており、麻雀ゲームだけをことさら規制しているものではない。

一時期、麻雀ゲームが一定のシェアを持っていたが、これは

  • 店舗側からすると、完成品の基板売りが原則にも関わらず、一般に基板の販売単価が安い。また、麻雀というゲームそのものは共通で、付加価値の部分のみで差別化しているため、店舗に長期間設置してもタイトルが陳腐化しづらいので、経営リスクが少ないとされること。
  • 開発側からすると、麻雀ゲームは、古いハードウェアを使うことが多く、外部のイラストレーターも使わない場合は、開発に投ずるハードウェアや人的資源の投資が低く済むので、単価は安いものの一定数の販売が見込め、比較的に経営リスクが少ない。

という点で、双方にメリットがあったからである。

しかしながら、大手メーカー系列の店舗で家族連れや女性客への配慮をするようになったり、また一般のゲームでも十分収益になるようになると、麻雀ゲームに割り当てられる少ない席(筐体)の取り合いが起こった。その少ない席を求めて、タイトル間の競争・淘汰や、新製品投入による旧製品の淘汰・陳腐化という消費サイクルが生まれ、安くて経営的に安定しているというメリットが少なくなった。 また、それらの淘汰に勝ち残るために、近代的なシステム基板を使用したり、外部のイラストレーターを起用するようになると、開発費の点でもさほどメリットはなくなり、自然消滅的に廃れたという状況である(ちなみに、業務用ゲームの販売規模は、導入が容易なビデオゲームでも数千枚売れればヒット商品、という程度の規模である)。

現在では、テクノトップ(中日本プロジェクト)など、古参の一部メーカーが細々と事業を展開しているのみである。

関連事項[編集]

外部リンク[編集]