排他協定

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排他協定(はいたきょうてい。JNN協定とも)は1959年TBSJNN(Japan News Network)が結成と同時に制定したJNNニュース番組の同時ネットを行い、他系列へのニュース映像配信を禁じた協定。

概要[編集]

この前年、1958年にラジオ東京(KRT。現在のTBS)と、KRTとの番組配信を行っていた北海道放送中部日本放送大阪テレビ放送(現在の朝日放送)、ラジオ九州(現在のRKB毎日放送)の5社によって「テレビニュースに関するネットワーク協定」(いわゆるJNN基幹局5社連盟)が締結されていたが、1959年に日本で初めての本格的な列島縦貫ネットワークとしてJNNが誕生するに当たり、加盟16局の間で「JNNニュース(JNNの名称のつくニュース番組)は必ず全国同時ネットワーク放送を行うこと」(※例外あり)「ニュース映像はJNN加盟局のみに配信し、無断で他の系列(ネットワーク)に配信してはいけない」ことを明示した「JNN協定」が締結された。また、やむを得ない事情(他系列、取分けその地域に系列局が無い局が放送するスポーツ中継を放送する場合や一部系列局で放送機器のトラブルによる停波で放送エリア内全域での長時間放送中断など)の特例の場合や一部の番組を除きネット番組の同日・後日の時差放送も一切認められていない決まりもある(この他にJNN報道特集もJNNを冠しているのでJNN協定が適用される。また、再放送は別であるため、後に再放送という形で見られる場合もある)。主にローカルのプロ野球中継では放送できなかった通常番組の後日の時差放送が行われず、番組返上されるケースが多いことから一部の視聴者からは不満の声も少なくない(特に中部日本放送[1])。

この排他協定のため、2005年のTBSの夕方のニュース番組改編時に『イブニング・ファイブ』の番組内に『JNNイブニング・ニュース』を内包する形でリニューアルした。これは、地方局でも17時台にローカル枠を設けられるようにTBSが配慮したものだと思われる。[2]

また、この協定によって複数の系列との掛け持ち(クロスネット)も規制されており、かつてフジテレビ系列(FNS)とのクロスネットだったテレビ山口もその後FNSを脱退し、福島テレビテレビユー福島の開局に伴いクロスネットを解消しFNSに一本化[3]。また愛媛県の伊予テレビ(開局時の局名)も、テレビ朝日系列(ANN)とのクロスネットを計画しながら結果的にはJNN一本で番組編成を行ったという経緯がある。

また、大阪地区のネット局(準キー局)が朝日放送だった時代には、朝日新聞系の日本教育テレビ(NET。現在のテレビ朝日)が放送した「NETニュース 朝日新聞製作」を放送せず、自主製作のJNNニュースを放送し、「NETニュース」は毎日新聞系の毎日放送が「MBSニュース」と改題して放送、また当然ながら関西地区の取材も朝日放送ではなく毎日放送が「朝日新聞製作」のニュースの取材を行っていたため議論を呼び[4]、後の腸捻転解消によるネットチェンジに発展していく。

なお、JNN系列局では、その地域の老舗局が多く加盟しているため、ラジオ局も運営する兼営局が多いが、これらラジオ局はTBS系のJRNのみならず、文化放送ニッポン放送系のNRNにも加盟するクロスネット局が殆どであり、NRN系のニュース番組も併せて放送している局が少なくない。これらの局は排他協定はあるものの、テレビとラジオは別物として、また1局地域が大部分であることから、報道素材についてはJRN向けとNRN向けの二重製作を行っている。このため、テレビはTBS系の兼営局がNRNニュースを製作・放送し、逆に日本テレビ系の兼営局がJRNニュースを製作・放送する現象が見られる。ただし、クロスネット局でも同一エリア内にNRN単独加盟局(STVラジオラジオ大阪)が別にある北海道放送と毎日放送は、排他協定が適用されており、JRNニュースしか扱わない[5]

例外[編集]

脚注[編集]

  1. 但し、最近は野球人気の低迷と視聴者保護の観点からやや緩和される傾向にある。1987年には、マドンナ後楽園球場ライブを遅れて深夜に放送し、2006年は、一部の番組(『ドリーム・プレス社』や『まんが日本昔ばなし』等)で振替放送を実施した。それ以前にも一部のアニメ等で例外的に実施した例がある。また、毎日放送も、2007年に『ぴったんこ・カンカン』スペシャルの振替放送を実施。中国放送も2007年5月に『ぴったんこ・カンカン』・『学校へ行こう!MAX』の振替放送を予定している。
  2. 他系列では全国ネット枠はタイトルの頭にネットワークの名前をつけて対応している。「News リアルタイム→NNN News リアルタイム」「スーパーニュース→FNNスーパーニュース」「super J チャンネル→ANN super J チャンネル」など。過去にはTBS系でも「あなたにオンタイム」や「ニュースコール」(第2期)で、同様に対応したことがある。
  3. ニュースネットはJNNのみ加盟でフジ系列のFNNには非参加だった。但しFTVに関してはネット一本化後にFNN加盟。
  4. なお、当時毎週日曜に行っていた朝日の冠番組による全国ニュース・「朝日新聞テレビ夕刊」はMBS(朝日資本のABCも)では放送せず、毎日の冠番組・「毎日新聞夕刊ニュース」(後の「テレビ夕刊」)を自主製作して、そこで補完する形となった。詳細は同項を参照されたい。当時NET系列だったテレビ岡山瀬戸内海放送にもネットした)
  5. 朝日放送ラジオがJRN・NRNの両方に加盟していながら、JRN・NRNニュースとは無関係なのはこのためである。但し、テレビが腸捻転だった時代は朝日放送がJRNのニュースネットを担当していた。
  6. 1983年4月1日からFNN/FNSにネットを一本化(ニュース以外の番組については9月30日までクロスネットを継続)してからはFNNニュースレポート23:00をネット受け。
  7. トリプルファイター」が静岡放送(SBS)ではなくテレビ静岡(SUT・フジテレビ系)で、「超時空要塞マクロス」が長崎放送(NBC)ではなくテレビ長崎(KTN・フジテレビ系。当時日本テレビ系とクロス)で放送された。また、TBSが制作に参加した深夜アニメが、当のTBSではなく独立UHF局での放送となった例もある。また、深夜ドラマ「アキハバラ@DEEP」は、広島県・福岡県・宮城県では他系列の局が放送した。
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