マンション

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マンション和製英語:Mansion)とは、日本語ではアパートよりも大型の共同住宅(集合住宅)を表す一般名詞として使われている。ただし、語源である英語では(例えばビル・ゲイツの私邸のような)豪邸などの意味で用いられることが多く、共同住宅の意味はほとんどない(英語の類語などの詳細は「#英語節」を参照)。

概要と定義[編集]

マンションというは、日本デベロッパーが、昭和30年代初めより一部の限られた階層を対象に、公団住宅などとは一線を画した高級路線の集合住宅を、高級感をイメージするために「マンション」と銘打って売り出したことに由来するという。その後、対象とする層を広げて多様なものが開発、販売されるようになっても、「マンション」という呼び名が定着した。しかし、英語では、Mansion(英)は、主に豪邸を示す言葉であり、日本語で言うような「共同住宅」を意味する一般名詞として用いられることは、ほとんどない。イギリスではより限定的に、Mansion Houseといった場合は市長公邸、Mansion blockといった場合は高級なアパートを指す。

日本で言うところのマンションは、比較的大規模な共同住宅で独立して住居の用に供することができる各室を有するものを指す。また、同じく共同住宅を指す「アパート」という言葉が、小規模なもの、木造や軽量鉄骨造のもの、賃貸物件を指していることが多いのに対し、「マンション」という言葉は比較的大規模で、構造としては基本的には鉄筋コンクリート造鉄骨鉄筋コンクリート造で区分所有(建物の区分所有等に関する法律-区分所有法)されるものが多い、という相違点がある。なお共同住宅は住宅の建て方を示す用語で、一戸建、長屋建(タウンハウス)と並んで分類されている。

バブル景気には、都心での土地高騰の影響やリゾートブームなどで郊外における建設が多く、またユニークで多種多様なものが提案され、中には、温泉つき、フィットネスクラブつきなどのマンションもあったが、区分所有者が管理せねばならず、また管理費等がかさむことがわかり、現在では人気は衰えている。2001年以降の都心の地価下落による開発コストの低下に伴い、全国的に大都市の都心部にマンション建設が数年続いた。

マンションは、都市部における住居形態として重みをもつ。日本では、国土交通省が行った調査では、2009年末において、全国の分譲マンションストック戸数は約562万戸としている。なお該当調査における、マンションとは「中高層(3階以上)で分譲・共同住宅、鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリートまたは鉄骨造の住宅」を示すように、「マンション」の定義が一定しなかった時期が長く、2010年現在も、その傾向が残る。

また住宅について、事業者の種類に応じて分譲、賃貸、コーポラティブハウスに分類される。このうち分譲とは、事業者が不動産会社(事業者宅建業法第3条第1項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者)であって、住戸ごとに区分し売買するものを言う。したがって「分譲マンション」とは、鉄筋コンクリート造ないし鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅のうち、事業主が不動産会社で住戸ごとに区分し売買するものを示している。

「マンション」は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律2001年施行)において、法令用語とされた。同法における定義では、複数の店舗や事務所と居住となる専有部分が1戸以上ある建物で、区分所有者が最低2名以上いること。これには設備や土地も含まれる。これは、同法でいうマンションが区分所有法の適用対象でもあるということ、「この法律は、土地利用の高度化の進展その他国民の住生活を取り巻く環境の変化に伴い、多数の区分所有者が居住するマンションの重要性が増大していることに鑑み(以下略)」とされていることからもわかるように、分譲マンションにおける管理を想定したものであるため、オーナーが1人で賃貸に供されているマンションなどは、ここではマンションとされない。ただし、2人以上いた区分所有者が1人になった場合でも、区分所有法は適用される。

2004年、国土交通省は、「中高層共同住宅標準管理規約」の改正に当たり、「分譲の中高層共同住宅を指す法令用語として『マンション』の用語が定着している状況」を理由に、名称を「マンション標準管理規約」と変更した。

空き家急増、「深刻な物件」318万戸(2014年10月)[編集]

空き家の増加に歯止めがかからない。

総務省の2013年「住宅・土地統計調査」(速報集計)によれば、約820万戸と過去最高を記録した。総住宅数6063万戸の13.5%を占め、「7、8軒に1軒」といった割合だ。

空き家の増大は景観が悪化するだけでなく、倒壊の危険や犯罪を誘発する。荒涼とした町並みが広がれば、住民の流出は加速し、地域社会の崩壊にもつながる。

空き家は2つに大別される。1つは「問題ない物件」だ。賃貸・売却用に建てたが需要を見誤り、入居者が見つかるまでの一時的な空き家となっているものだ。別荘などもこのグループに属する。

もう1つは「深刻な物件」だ。単身高齢者が施設に入ったり、死亡したりして管理が行き届かなくなったケースだ。同調査によれば、分類困難なものも含め、こうした「放置された空き家」は318万戸を数える。

空き家と聞くと、「朽ち果てた一軒家」のイメージが強いが、実はマンションも少なくない。総務省が2008年の前回調査を分析したところ、この時点の空き家総数757万戸のうち、6割にあたる462万戸がマンションなどの共同住宅だった。大半は賃貸だが、「放置された空き家」も72万戸近くに上る。

マンションの場合、空き家が増えると管理組合が維持できなくなる。管理体制が悪化すれば借り手も減る。この点、賃貸であっても「深刻な物件」に転じやすい。

所有者が遠方にいる「投資型」などは管理がおろそかにされがちで、未入居の増加に拍車をかけているとの指摘もある。賃貸も含め1棟の半数が入居していないマンションも珍しくなくなった。こうなると物件価値も低下し、スラム化の道を歩み始める。

マンションの解体は戸建て以上に大変だ。建物が頑丈で費用がかさむだけでなく、所有者の利害が複雑に絡むからだ。今後、大都市圏を中心に「スラム化した老朽マンション」が増大すれば、新たな社会問題として国民にも重くのしかかることになろう。

私的財産である住宅は本来、所有者が責任をもって管理すべきものだが、地域の安心・安全にかかわるため、条例を定めて独自の対策を進める自治体は少なくない。

移住希望者に情報提供する「空き家バンク」の取り組みも広がってきた。解体して更地にすると固定資産税の優遇措置が受けられなくなるといった税制面での課題の解消や、持ち主を探すために市町村が税情報を活用し、立ち入り調査できる仕組みの導入に向けた動きも出ている。

こうした目の前の課題への対応も重要だが、空き家問題の根本解決には「なぜ増えたのか」という理由に立ち返ってみる必要がある。

最大の要因は住宅の供給過剰だ。1968年の同調査以降、住宅総数は総世帯数を上回っている。2013年も818万戸の超過である。これでは、住まなくなったからといっても、立地や使い勝手がよくなければ簡単に売却や賃貸とはいかないだろう。

しかも、少子化で相続する子供が減った。相続人がいても、若者世代が都会に出たまま帰らず“田舎の家”には価値を見いだせないというケースは多い。少子化の進行に伴い、さらに空き家が増えると予想される。

ところが、空き家解消に逆行するような動きも続いている。国土交通省によれば、昨年度の新設住宅着工戸数は4年連続増の約99万戸(前年比10.6%増)だ。過去の推移をみても、特殊要因のあった年を除けば着工戸数の減少は見当たらない。

背景には日本人の「新築志向」の強さがある。政府も住宅ローンの控除など新築住宅の開発を促す政策を推進してきた。住宅取得が進めば、家電製品や家具など需要が伸びるとの計算だ。歴代政権にとって、分かりやすい「景気浮揚策」だったのである。

持ち家率が6割を超した現状においては、新築住宅の推進政策はその“歴史的役目”を終えた。空き家をこれ以上増やさないようにするためには、中古市場整備へと政策シフトを図ることだ。解体ばかりでなく、「社会の資源」として再活用する視点も求められる。移住者向けや公共住宅へのリフォームを後押しすることである。

過度な「新築志向」を改めない限り、われわれは大きな荷物を背負うことになる。

歴史[編集]

日本は、マンション学事典(3-5頁)で、マンション草創期(1950年代-1960年代前半)、マンション大衆化期(1960年代後半-1970年代)、マンション質向上期(1980年代-1990年代前半)、多様ストック形成期(1990年代後半- )の4期に分けられている。マンション草創期は、「マンション」の語源にも関係するように一般庶民には無縁なデラックス志向のものに限られ、その一方で建物の区分所有が広まり始めた事を受け区分所有法の制定などがあった。マンション大衆化期は、マンションの普及が促されるに伴い徐々に住宅ローン制度が広まる、その一方で後述する建設時などのトラブルが表面化し出した時期でもある。マンション質向上期は、建築技術の進歩、バブル景気などの好景気を受けて、高層化の進展、居住性の向上も進んだ時期である一方で、マンション草創期等につくられたマンションの大規模修繕、建替えの必要性の問題が表面化してきた。その後の時期は、単身世帯の増加、高齢化の進展などを背景に、想定される利用者層などが様々なタイプのマンションが市場に登場している。

住戸形態[編集]

マンションは、対象とする利用者層、目的から、次のような用語例がある。

  1. ファミリー型: 専用部分はnDK型やnLDK型と呼ばれる、n個の居室とダイニングキッチン、リビングなどから構成されることが多い。
  2. ワンルーム型: 居室、ダイニング、寝室等に仕切りがなく一体になっている。ただし、トイレや風呂場は別になっている。

マンションの用途は住戸であるが、居住者層等から、さらに細分化され、それに対応した様々なものが市場に出ている。

#用途的に細分化されたもの を参照

権利関係[編集]

土地、敷地利用権の権利態様から、次のようなものに大別される。 専有部分#区分所有法 も参照

  1. 各室(専有部分)を入居者が所有することが基本で、敷地も各専有部分所有者の共有とするもの。
  2. 各室(専有部分)を入居者が所有することが基本だが、敷地は定期借地権等の設定を受けて各専有部分所有者が借地権を準共有するもの(いわゆる定期借地権マンション等)。
  3. 建物全体と敷地が同一の所有形態で、専有部分にあたる各室を賃貸に供しているもの(いわゆる賃貸マンション)。入口に管理する不動産業者とその連絡先が書かれたプレートや「入居者募集」と書かれた貼り紙等が取り付けられている場合が多い。
  4. 各室(専有部分)ごとに所有者がおり、敷地利用権も各専有部分所有者の共有もしくは借地権準共有であるが、建設当初の販売時から賃貸に供されることを前提としたもの(いわゆる投資用物件マンション、居住者-借主側から見ると「賃貸マンション」に含まれる)。
  5. 自ら居住するための住宅を建設するものが組合を結成し、協同して事業計画を進め、土地の取得、建設の設計、工事発注、その他の業務を行い、住宅を取得する方式(コーポラティブ方式、コーポラティブハウス参照)。将来の建替え時の意思統一の円滑化の観点からも、専有部分に当たる部分も組合で共有する方法にはメリットがあるという。

日本や大韓民国などにおいては、日本の区分所有法のような関係法令により、一棟の建物及び敷地を、専有部分、共用部分、敷地というように分類するが、欧米では、土地と建物を不動産として区別せず、敷地利用権という概念がない国が多い。さらに、共同住宅の普及の進む国、地域においては、法令やその運用により、区分所有権に基づく利用の自由と区分所有者の共同の利益の調和が図られる。

詳細は 専有部分 を参照

上記の3.以外は、専有部分所有者(区分所有者)たちにより形成される管理組合により運営されて行くことになるが、共同住宅の普及の進む国等では、それぞれ法令の整備を進めている。日本では、マンションの管理運営は建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)によって定められており、区分所有者と管理組合が主体となって管理運営を行うこととされている。なお、上記の1.において、年月の経過と共に、専有部分を賃貸する区分所有者が増えていく傾向があり(「賃貸化」)、管理上の問題点の一つとされている。

詳細は 管理組合 を参照

建設[編集]

マンションの歴史は高層化の歴史でもあり、中高層のマンション建設時には、建設工事の騒音、振動、中高層の建物ができることによる景観、日照等への影響、ビル風、テレビや携帯電話電波障害をめぐって周辺住民との間にトラブルが起こることがある。日本では、1976年建築基準法に日影規制が定められるきっかけともなった。また、電波障害対策として、周辺の住民に対し、ケーブルテレビ等による再送信の補償が行われることもある。

日本では、度々、報道や訴訟の対象とされている。個別のトラブル事例については、該当する事例の項目を参照されたい。国立マンション訴訟のように住民の景観利益を認めた事例(ただし、すでにできあがったマンションの撤去を求めた住民の請求に関しては却下)が注目された。この事例では、国立市長(当時。反対運動関係者でもあった)が市議会などで「違法建築」と発言したことが、事業者に対する営業妨害にあたると認められたが、このように反対運動の手段の「正当性」が問題となる事例も見られる。

公共施設整備から受ける制約[編集]

日本では、2000年から2005年頃にかけて、バブル経済崩壊後の企業がリストラの一環として保有する土地を放出し、政府の景気対策もあいまって、東京都心部などではマンション建設に弾みがつき、都心居住を望む人々から割安感・買い得感に基づくマンション需要が急増し、都心回帰現象が生じたことがある。そこで、大都市の都心に近く工場跡地の多かった東京都江東区などではマンションの素地の供給とマンションの需要から「建設(開発)ラッシュ」が発生し、局地的な人口急増に公共施設の整備が追いつかないという状況が問題となった。自治体側は急増する公共施設の整備に対してマンション開発業者により多くの負担を求め、業者側は負担が増加して開発コストへの反映、ひいては販売価格にも影響する形となった。

素地[編集]

マンション開発が行われる土地は、「素地」と呼ばれることがあり、素地の価格は、マンション開発の投資採算性の立場から、法令上許容される床面積を重視して評価することとなる。

躯体[編集]

マンションは居住の用に供するため、躯体は、強風や振動に対する安定性のある鉄筋コンクリート造が望ましいとされる。一方で、鉄筋コンクリート造は鉄骨造に比べて建物の自重が大きくなりがちで、建築物の高層化、大スパン化を目指す上で柱が邪魔になるため、「強度の高いコンクリートを使うことによって、いかに邪魔にならない柱の大きさにするか」ということを目指して、各国で高強度コンクリートの開発が進められた。日本でも、超高層マンションを中心に、高強度コンクリートの使用が広がっている。

付帯設備[編集]

共用部分 も参照

給排水設備[編集]

躯体より寿命の短い配管の付替リスクを分離するため、現在では、配管を部屋の中に通す内配管方式に代わり、マンションの基幹配管を分離して建てるスケルトン・インフィル住宅(外配管方式)を採用するマンションが増大している。

電気、情報通信設備[編集]

住宅におけるIT化の進展に伴い、電気設備の容量、インターネット通信の光ファイバーの有無が重要性を増している。既存のマンションでこれらの新増設を行うには、共用部分の変更に当たる工事が必要となり、各区分所有者が各自自由に回線を引き込めない場合がある。

駐車場等[編集]

日本の場合、駐輪・駐車スペースが不足しているマンションが散見される。ただし、逆に駐車場の空きが発生すると、入居後に、駐車場の駐車場管理費又は利用料が確保できず、それを財源の一部とする修繕計画等の見直を迫られるなど管理組合運営に影響が出てくることとなる。

品質問題[編集]

詳細は 構造計算書偽造問題 を参照

2005年11月、建築確認申請に添付する「構造計算書」の数値偽造が発覚し、結果的に建築基準法の耐震基準を満たさないマンションが多数建設・販売されることとなった。販売済みのマンションでは購入者に対する補償問題(瑕疵担保責任)、完成前のマンションでは取り壊し、また建設業者や不動産業者倒産などの影響が出ている。

居住[編集]

マンション購入時は、人々は建物や環境、立地というハード面を重視する傾向がある。一方、マンション管理士の立場からは、「人と人とが一緒に住む」(共同生活の場)というソフト面に重点を置くことも提唱され、手段として、人間関係の構築、子育て高齢者への福祉等、インターネット活用、などが例示されている。

近年では人々のライフスタイルが多様化しているため、特定の特徴を備えたマンションを求める人々もいる。例えば、ペットを飼う人々のために「ペット飼育可」という条件になっているマンション、さらにはペット用に室内設計に工夫されているそれ、音楽家や趣味で音楽に熱中している人々のために防音室が各戸に設置してあるマンション、オートバイ好きの人々のためにオートバイを各戸に持ち込むことができるマンション、等々等々を企画するデベロパーがあり、そういった特徴を持つ人々の間では人気を博している(こうしたマンションでは、住民どうしが似たライフスタイルを持ち、互いを理解しやすいため、後述するような住民同士のトラブルがある程度防げる面もある)。

マンションでは「人と人とが一緒に住む(共同生活)」という状況であるため、利用方法等をめぐって、入居者、区分所有者間のトラブルも多く見られる。

専有部分#利用等に関する問題 も参照

トラブル[編集]

マンション内で最も多いトラブルに騒音がある。隣室や上下階の生活騒音は、法令等の違反となるような大音量でなくとも、音質や頻度によっては不快に感じることがあり、またその程度が人によって大きく異なる。法令や管理規約に違反しないかぎり、当事者間の問題となる。上階からの騒音は床スラブが厚いほど、また直張りよりも二重床のほうが軽減される。ただし配管などを通して音が漏れてくる場合もある。1990年代初頭から急速に広まったフローリングを含め解決策といえるものとしては床や壁を厚くしたり、防音効果のある絨毯などをはさむことが考えられるが、既存マンションで改修工事としてこれらを行う場合、共用部分である躯体に手を加えることとなるため管理組合全体の問題となったり、工事に伴う騒音、振動が隣室や上下階に及ぶこととなることから困難な場合がある。1980年代には上階や隣家の騒音をめぐる住民間の殺傷事件などが発生した事例もあったが、その後、防音技術やそれの普及の向上に伴って問題としての深刻度は低下している。

ペット飼育をめぐるトラブルや、マンション内にゴミ置場がある場合に、ゴミ出しをめぐるトラブルも見られる。

子育て[編集]

マンションは子育てを行っている世代の入居者も多いが、成長期の子どもは、立体的なものに対する感覚が未発達であり、高いところに住むという意識が薄い。建築基準法上では、ベランダの手すりの安全上必要な高さは110cm以上とされているが(建築基準法施行令第126条)、これでは子どもの転落事故に発展することもある。

日本では近年、自治体によって《子育て支援マンション》に関する条例を制定する例が増えている。多くの場合実態は様々であるが、多くは一定の基準を満たすことで《子育てマンション》と認定し、結果としてマンションの資産価値あがるというものである。基準としては、共用部分にキッズルームを設ける、などがある。

自動車[編集]

上述のごとく、概して駐車場が不足しているマンションは多く、周辺にも手ごろな駐車場が存在しない場合、新たに車を所有しようと考える居住者は、既に駐車場を利用している居住者が使用するのを止めそれが空くのを待つ順番待ちに加わることになる。需給の差が大きかったり入れ替わりの速度が遅いと、空き待ちの状態で数年以上待たされる、などということも生じる。最近では自動車の所有にこだわらない人も増え、マンション管理組合がカーシェアリングを運営、マンション付設の駐車場にその車を置き、多くの住民が車を所有せずして手軽に車を利用できる、ということを特徴として打ち出すマンションも出てきた。

維持管理[編集]

共用部分#区分所有建物 も参照

建物のうち、特にマンションは、日常の維持管理、計画的な大規模修繕の実施等により、経済価値や「寿命」が大きく影響を受ける。日常の維持管理、大規模修繕は、管理組合が主体的に実施すべきものである。

管理組合と町内会(自治会)[編集]

マンションにおいて設立される管理組合は、区分所有者全員の加入が区分所有法で義務づけられている。一方、区分所有者が賃貸に出している場合、賃借人は管理組合員ではない。関わる項目も、原則として共有部分に関することであり、マンション標準管理規約(単棟型)では、「管理組合の業務」に「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」を含めているが(第32条)、本来目的ではない。

日本の場合、既存の市街地には町内会(自治会)がある場合が多く、これらには賃借人であろうと居住者が加入するが、任意なので加入しない人もいる。マンション標準管理規約(単棟型)第27条のコメントでは、各居住者が任意の判断で加入する自治会費、町内会費は、管理費とは別で各自の負担として、マンションの管理組合とは区別している。住民の親睦を図るほかに、自治体事務の委任をうけて仕事をすることがある。マンションの場合、小規模であれば町内会の「班」程度となるが、大規模であれば、独自の自治会を組織して上位の「町内会連合会」などに加盟することもある。

上記の性質の差から、「管理組合=実質的に(マンション独自の)自治会」、「管理組合役員と自治会役員の選出はまったく別」などのさまざまな形態がある。実質同一であれば、賃借人の問題、実質別であれば、業務の切り分け(例:共有の防災施設の扱いは誰がおこなうか)、自治体の委任事務の扱いなどの課題がある。

売買[編集]

新築時の分譲と使用開始後の「中古」売買に分けられる。マンションの売買については、構造面、権利面の特殊性等から、他の建物、土地の取引とは異なる特徴がある。

マンションの売買をめぐる問題参照

建替え・解体[編集]

マンションに限らず建物は、経年に伴う劣化、機能的・経済的劣化、被災による損壊等を避けられないため、最終的には、建替え・解体を検討することとなる。

特に、マンションは、施工の質や維持管理の状態等により、「寿命」に大きな差異が生ずることもあり、さらに、多数の権利者が関係し、建替えに当たっては、建替えに参加しない者の専有部分を取得するなど、その権利者間の調整が重要である。国土交通省は、「マンションの建替えに向けた合意形成に関するマニュアル」及び「マンションの建替えか修繕かを判断するためのマニュアル」を作成している。これらマニュアルでは、合意形成については、発意から準備段階-検討段階-計画段階を経て建替え決議をゴールとし、事業実施については、建替組合の設立段階-権利変換段階-工事実施段階を経て再入居・新管理組合設立段階まで盛り込まれている。建替えか修繕かの判断については、費用対改善効果を把握し、それに基づき総合的に判断するものとされている。専有部分#売渡請求権専有部分#買取請求権も参照されたい。

各国では、様々な法制の整備が進められている。

例えば、アメリカ合衆国では、「区分所有関係の解消手続き」を区分所有権の80%以上の賛成により行い、専有部分及び共有部分の所有権を組合に帰属させた上で建替えを進めることとしているという。

日本では、以下の2つの法律がある。

  1. 建て替えそのものの手続きなどを迅速に出来るようにした「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」がある。
  2. 区分所有法により、管理組合総会において区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成により建替えを決議できる。建替え決議の要件として、以前は様々な規定があったが、2003年に大幅に緩和された。さらに、マンションの建替えの円滑化等に関する法律が制定されている。同法では、区分所有法の建替え決議が成立した場合は、マンション建替組合を設立することができ、組合が建替え不参加者への区分所有権売渡請求などを行えることとしている。2002年国土交通省の発表によると、81例全てが100%の合意で建替えられている。

人口減少と高齢化が進む状態では、マンション住民の高齢化、死亡により空室が増加し、維持費の調達が困難になった荒廃マンションが増加する。高齢化による荒廃マンションの増加を経験したイギリスは、高層マンションの建設を禁止するとともに、荒廃し、スラムとなったマンションを税金で取り壊している。日本は急速な高齢化が進んでいるものの、他国のこういった事例に気づく動きがないことを、藻谷浩介が指摘している。

主な企業[編集]

設計、施工、販売、管理とそれぞれの業者が存在する。

詳細は 日本の企業一覧 (マンション管理会社) を参照

関連項目[編集]

管理、マンションライフ関連[編集]

建築技術、構造等[編集]

関連事件[編集]

その他の集合住宅等[編集]

規模等により細分化されたもの[編集]

関係団体[編集]

用途的に細分化されたもの[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]