ナチス・ドイツの功績
ナチス・ドイツの功績（-こうせき）とは、ナチス政権下のドイツにおいて、世界に先駆けて行われた業績を指す。
概要[編集]
第二次世界大戦前のドイツは、世界でも有数の技術立国であり、医療分野においても世界の最先端であった。日本語で今も使われるカルテ（Karte）は元々ドイツ語で、主に西洋医学がドイツからもたらされた事の名残である。
第二次世界大戦での敗戦をきっかけにして優秀な技術者がドイツ国外に流れたが、ドイツ人は元々勤勉で理論的な思考を得意とする民族であり、それは第二次世界大戦前も変わらなかった。よってここではドイツの敗戦によって闇に葬られ、あるいは語られることのなくなった、主にナチス政権下のドイツの功績について挙げる。
交通[編集]
アウトバーンの建設[編集]
アウトバーン（ドイツ語: Autobahn）は、元々「自動車専用道路」を意味する。ドイツにおける自動車専用道路の構想は少なくとも1910年代には存在し、1928年から1932年にはケルン＝ボン間の道路が完成した。アウトバーンの名称はここでつけられた。
世界最初の有料高速道路は、ムッソリーニ政権下のイタリアで1925年～1935年建設されたが、この時の「借金で建設して、通行料で返済する」という発想は非常に斬新であり、日本の高速道路は今でもこの方式で建設されている。ドイツのアウトバーンもこの方式を採用している。
ドイツでは、1918年の第一次世界大戦での敗戦によるヴェルサイユ条約および1929年の世界恐慌により、ドイツの経済は疲弊し、大量の失業者が発生していた。1933年アドルフ・ヒトラーは「国民に職とパンを与える」という公約で選挙に勝利し、首相となった。ヒトラーは大々的な公共事業を展開し、その一つがアウトバーンの建設であった。建設にあたってはなるべく重機を使わず、一人でも多くの労働者を雇用することに尽力した。
なおよく知られているように、アウトバーンは戦時下において臨時の滑走路としても利用できるように設計されている。
大衆車の開発[編集]
ヒトラーは「休日には低所得者層が自動車に乗ってピクニックに出られる暮らしが必要である」とし、当時は富裕層のものであった自動車の大衆化にも努めた。これがフォルクス・ワーゲン（独：Volkswagen）である。フォルクス・ワーゲンは国策企業として設立され、自動車の設計にはポルシェが携わった。これにより、当時の自動車のポルシェと同じく自動車のフォルクス・ワーゲンの外観が若干似たものになった。なおもちろんフォルクス・ワーゲン社の設立自体も雇用創出の目的であった。
現在ではフォルクス・ワーゲンの名は固有名詞化しているが、ドイツ語の元々の意味は「人々の自動車」すなわち「国民車」を意味した。
